紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

東京オペラシティ 牛田智大ピアノリサイタル

金沢に続き、今度はついに東京まで遠征です。

牛田智大さん応援サイトでも感想をアップしていますが
こちらと、読んで下さる方が微妙にずれているので(^_^;)
こちらにも、感想を書いておきます。
ちょっと風味が違います。

今回は古典曲とロシア曲のプログラムでした。
今までショパンとリストのイメージが強かった牛田さん。
どんな演奏か楽しみにしながら行きました。

一曲目はモーツアルトピアノソナタ11番「トルコ行進曲付」

昨年9月の愛知のリサイタル、および今年1月の金沢でも聴いた曲です。
とても好きな曲なので、これを牛田さんが弾いてくださるのが
たいへん嬉しく、何度も遠征しているというのも事実です。

今回はリピート付きのフルバージョンでした。

今までリピートカットだったのに。暗譜し直して、曲想ももう一度創り上げられて。
なんという時間と労力かと、驚きました。

優しく、柔らかな音楽で、愛らしくて、工夫に満ちていて。とても好きです。
特に一楽章の主題、および第三変奏が素敵でした。何度でも聴きたいです(笑)


二曲目はプロコフィエフの戦争ソナタ7番

牛田さんのロシア曲は、すっかり気に入っています。
よくしゃべるピアノでした。
音色が多彩で、にぎやかで、不安も悲しみも喜びもせつなさも
いろんな感情がまぜこぜになって迫ってくる。
たくさんの気持ち、たくさんの音色、たくさんの想い、
あふれかえるような音楽。大好きです。
もう、この辺で、こらえていないと泣きそうで困りました。

休憩をはさみ三曲目はベートーヴェンの「トルコ行進曲
四曲目は同じくベートーヴェンの「エリーゼのために

大曲の中に、親しみやすい音楽がはいっていることに、好感が持てました。
でも、子供の弾く、まっすぐなだけの音楽じゃなくて
旋律の出し方に繊細な工夫がこらされており、さすが、活躍しているピアニストの演奏だと
感心しました。
これに加えて色気まで出てくるようになったら、どうなるのでしょう。


5曲目がベートーヴェン「月光」

好きなテンポ、好きな音楽。水面にうつる月を掬い取るかのような、第一楽章、
可憐な花のような第二楽章
荒々しさを少し抑えたような第三楽章
若木のように新鮮で、品のある「月光」でした。
もっと年を重ねられてからの演奏を、いつかまた聴いてみたいです。

6曲目最後はラフマニノフソナタ2番。

牛田さんの弾くラフマニノフソナタ2番。
この曲、今まで好きだと思っていなかったのですが(苦笑)牛田さんが弾くラフマニノフ
ソナタ2番を聴いて、大好きになりました。
こんなにも旋律が豊かだったのか。こんなにも、複雑な感情がからみあう音楽だったのかと。
牛田さんの音の豊かさ、巾の広さがふんだんに盛り込まれており、
聴く価値のある音楽だと思っています。
毎回、泣けるのに困ります。牛田さんのラフマニノフは特別です。
毎回耳について、離れなくなります。
リサイタルから数日は、夢の中でもこの曲が聴こえます。

アンコールは

ショパンノクターン9−2
ノロータ 「ロミオとジュリエット」より愛のテーマ
バタジェフスカ「乙女の祈り

サイン会も、凄まじい人でした。
バレンタインデーですし、プレゼントも凄かったです。
とても、愛されているピアニストなのですね。

「アンファンテリブル」
今の牛田さんに、感じる言葉です。

複数形では駄目かな?でも、フランス語良く知らないから…。

牛田さんのロシア音楽、大好きです。
というか、牛田さんの弾くピアノを聴いて、ロシア音楽がもっと好きになりました。