紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

社会学者 石川洋明先生

中日新聞で、社会学者である石川洋明先生の未完論文についての連載記事がありました。(2015年2月10日〜14日)
名古屋市立大学社会学部で、虐待、依存症などの病理を研究されていた先生です。
自身の癌が見つかった後、重度の鬱病の妻が息子さんを殺害、その後、妻は精神病院に入院するものの、自殺。その中で、末期癌をかかえながらも、最後の瞬間まで講義をし続けた先生とのことでした。

かつて、自分は精神科に勤務していました。精神科で、たくさんの、本当にたくさの方のお話を聞き続け、世の中には、どうしてこれほどまでに、どうにもならない哀しみがあるのかと、強さとはいったいなんであるのか、弱さとはいったいなんであるのかと、さまざまなことを考え
たくさんの人から、とても抱えきれないほどの、たくさんのことを教えていただきました。

新聞に掲載された、石川先生の言葉が印象的でした。
「生きていくということは、大変なことだから、時々悪いこと(依存症や自傷など)もするでしょう。清廉潔白に生きて自殺するより、悪いことをしながらでも生きていることがずっと偉いこと、いちばん偉いことだよ」