紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

星をつかみたかったのかもしれない 

子供の頃、欲しいものが、たくさんありました。
本も漫画もカセットテープも、レコードも、楽譜も、画集も。
小さなものでは、キーホルダーやちいさなマスコットぬいぐるみにも憧れました。
小学生の頃は、もしもこの手に500円があったなら、何が買えるんだろうと
いつも想像しては楽しんでいました。

でも、どれほどおねだりしても、絶対に買ってもらえないことは知っていたし、おこづかいももらえなかったので、「欲しいものを、どうやったら手に入れることができるか」をいつも考えていました。

雑誌に文章を投稿すれば、図書券がもらえることを知り、いろいろ文章を書いて図書券をゲットしたりしました。一度掲載されると、2000円くらい図書券がもらえたりするんですよね!小学生には、なかなかの大金でした。
中学生になってからは、近所のスーパーで学校にナイショでアルバイトもはじめました。学校の先生がスーパーに来ると、馴染のお客さんが走ってきて「ほら、隠れて隠れて」ってお店の奥に隠してくれるの!!(笑)

手に入ったお金で、本も漫画も雑誌も買いたいけれど
少しづつ我慢をして、ちょっとづつためていました。

どうしても欲しいものがあったのです。
「望遠鏡」です。

毎日、毎日星を見上げるのが大好きでした。
図書館で何度も星の本を借りてきて、星を眺めました。
あの星の近くに、星雲があるんだ。
あの星のもう少しこちらに、星団があるんだ。
借りてきた星の本の写真を眺めながら
「いつか望遠鏡を買って、いつか星団や星雲を
おもいっきり眺めよう」と思っていました。

100円、200円、500円と、少しづつ貯めたお金が5万円を超した頃には
もう高校生になってしまっていました。
(バイトのお金で、ミュージカルとか行っちゃったので、なかなか貯められなかったのです(^_^;)ちなみに、中学生バイト仲間と一緒に、はじめてチケットを買って行ったミュージカルは「レ・ミゼラブル」でした)

で、高校生になる頃には、ちょっとわかっちゃったんですよね。
5万円では、欲しい望遠鏡は買えないって。
本当に欲しい望遠鏡は、もっとずっと高くて
簡単に手にはいるものじゃないって。

だから、作ったんです。望遠鏡。
天文部に入っていたので、その仲間で(笑)
作るのは、大変でした〜〜〜
完成した時、雑誌にも紹介されたんじゃなかったかな?

で、貯めたお金では、「双眼鏡」を買いました。
星雲や星団を見るには、場合によっては、
望遠鏡以上に威力を発揮するんです。
高性能双眼鏡!今でも何かと使っています(*^_^*)

子供の頃は、星を手に入れたかったのかもしれない。

でも、だんだん、無謀なのかなって思うようになってきて。
星を手に入れる困難さもわかってきて。
自分の能力の限界も見えてきちゃって。

私は、皆で作った望遠鏡で、満足しちゃいました。

でも一緒に望遠鏡を作った友人は、もっともっと星にちかづきたくて
でもって、それができる能力もあったので
大学も理学部の天文学に進んで
アリゾナまで行って、大きな望遠鏡まで作っちゃってました!

友人が日本にいる頃には、大学まで遊びに行っては、途中まで作られた大きな望遠鏡や、いろいろなものを見せてもらいました。
星を手に入れる人がいるんだな〜て思っていたら彼女に言われました。
「星が見たくて、星が大好きでこの世界に入ったのに
気付いたら、パソコン画面とデータとばかり睨めっこしているのよ」
「それでも、研究に没頭できるならいいんだけどね。お空を見上げながら、足元では人間関係の渦に巻き込まれているの」

夢を叶えるのも、いろいろ大変なんだな、と思った瞬間でした。
でも、やっぱり、努力して、努力して、
天才って呼ばれている自分に満足することもうぬぼれることもなく
信じられないくらい努力して、才能を最大限に発揮して
本当に夢を叶えちゃう彼女は、カッコイイなって思いました。
そして、彼女が一番大変な時に、友達として、彼女のできる限り近くにいられてよかったって思いました。
自分では夢を叶えられなかったけれど(^_^;)
彼女の一番近くのポジションは、彼女の現旦那に譲らなくっちゃ
いけなかったけど。
大切な心から愛している友人が、星をつかむのを応援することはできたのです。

長くなっちゃいました。

さて。本の紹介です。
これ、画像あるのかな?と思ったらありました。

全天恒星図2000―2000年 分点

全天恒星図2000―2000年 分点

これをご存じの方いらっしゃったら、それなりの天文マニアですね(笑)
天体観測をしようとしたときに、必要となる本です。
全天の星が書かれていて、星雲、星団の位置が示されています。
自分たちが持っているこの本は、もうたくさん書き込みがあって
山ほどの想い出も一緒に詰め込まれています。