紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

山口県萩市

旅行で訪れただけなのに、とても好きになってしまう場所があります。
そのひとつが、山口県萩市です。

訪れたのは、まだ学生の頃です。
時期は3月上旬だったでしょうか。
いつもの萩市の天気を知らないのですが
雪の積もった寒い日でした。

武家屋敷の白い壁に、大きなみかんの木にたわわに実がついていました。
空は遠くまで晴れていて
ぬかるんだ道、脇にどけられた雪の塊、道添いに続く白い壁、
あかるく輝くみかんの実
その光景に、心奪われました。

レンタル自転車で町をめぐれば、
幕末の志士たちの
いくつもの歴史的建造物が残されていました。

それを抜けると
真っ青で雄大な海につきました。

その海は、
私の知る、日本海の暗いうねるような海ではなく
私の知る、太平洋の、のんびりとして濃い青い海でもなく
大きな波をくねらせながら、明るいやわらかな風と
明るい色をした、新しい海でした。

街のお土産屋さんでみかけた
萩焼の、ぬくもりある色と手触り。

いつか大人になったら
いつか、もう少し自由にお金を使えるようになったら
自分の湯のみを買いにもう一度、萩に来たい。

そう思っていたのに。

あれからもう、20年もの月日が経ってしまいました。

先日、牛田さんのコンサートが
島根のグラントワで開催されました。

グラントワは、行きたいとずっと願っている
萩市からほど近い場所でした。
なんとかコンサートに行けないかなあと
画策しているときに
無性に思い出したのが
萩の街並みでした。

いつか、また。
かなうならばこの時期に
もう一度訪れたい、好きな街です。