牛田さんCD「展覧会の絵」感想(前半)
待ってました(*^-^*)
- アーティスト: 牛田智大,チャイコフスキー,グリャズノフ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2016/09/14
- メディア: CD
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牛田さんの「展覧会の絵」はリサイタルで聴かせていただいて
いつもいつも、とっても胸に響く音楽で
それなのに、毎回少しづつ違ったりしていて
とても楽しませていただいていたのです。
それが、CDとなって、自宅でも聴くことができるなんて
どれほど幸せなのでしょう(*^-^*)
収録曲は
1、ひばり(グリンカ・パラキレフ)
2、瞑想曲(チャイコ18の小品より)
3、夜想曲(チャイコ6つの小品より Op19のほう)
4、展覧会の絵(ムソルグスキー)
5、冬の樅の森(チャイコ「くるみ割り」より)
6、花のワルツ(チャイコ「くるみ割り」より)
ざっくり書くとこんな感じです。
でもこうしてざっくり書くと
見た目も綺麗なんですよね〜(*^-^*)
題名だけで、美しい絵が描けるみたい。
音がリズムを持っていて
小さな音楽を伴った詩のようです。
はじめの3曲は、三文字でそろえて。
2曲目と3曲目はまるで韻を踏むかのよう。
ひばり
瞑想曲
夜想曲
昼間の青空に、ひばりの天高く鳴く声が聴こえたかと思えば
誰かを想い、一人瞑想する人の姿が見え
そして、「夜想曲」ノクターン
夜明けの空、新しい朝を迎え、夜を想う曲。
美しい一日を描くかのようなこの題名(*^-^*)
詩的な遊び心を感じます。
(偶然ですか?)
4,5,6、曲目は「の」のはいる曲
4で「の」がひとつ
5で「の」がふたつ
6で「の」がひとつ
これまたリズムがあって美しいです。
5曲目をリサイタルの時の同じ「間奏曲」という題名に
しなかったのが、心憎いです。
「展覧会の絵」は
牛田さんの解釈を読んでからは、黒く喪に服するかのような色を感じます。
死の音楽
「冬の樅の森」は
グレーから白の色。
愛の音楽。
「花のワルツ」は
色とりどりのカラフルな
生きる喜びそのもののような音楽。
題名を見るだけで、
モノトーンからカラフルへ。
色の移り変わりが見えるようです。
それを「の」という音でリズムを作りながら
まるですべてが繋がってゆくような
繋がっているような
「死」と「愛」と「生」が手をつないで移り変わっていくような
そんなイメージを持ちます。
(考えすぎですね。いつも友人に叱られます(笑))
おやおや。また音楽の感想を書かないままに
勝手なことを書いております。
昨年度の、牛田さんのリサイタルツアー、勝手に「愛」と「死」のツアーと
命名しておりましたが
その集大成としてのこのCD。
題名を見るだけで、
こんなにも、楽しんでしまいました。
いい加減中身に。
音楽を聴いた感想は、例によって例のところにありますので、
そちらをご覧くださいね(不親切ですみません)
はじまりは「ひばり」
原曲のグリンカの「ひばり」は
「ペテルブルグとの別れ」の歌曲集、第10曲にあたります。
http://a-babe.plala.jp/~jun-t/Glinka_Petersburg.htm
こちらで全曲を歌詞付きで聴くことができます(*^-^*)
「ひばり」の歌詞はこちら
空と大地の間に
歌は聴こえてくる
その絶えざる流れは
朗々と、朗々と響き渡る
野原でその歌を歌うのは
一体誰なのかは分からない
歌を捧げる女達の上では
ひばりが高くさえずっているのに
風は歌を届けてくれる
誰か知らないその人のところへ
届けられた人には分かるだろう
歌が誰からのものなのか!
流れ行け、私の歌よ
優しい希望の歌よ
誰かが私を思い出し
そっと溜息をついてくれるように
せっかくなので、この歌曲のはじめの歌も少し。
第1曲「ロマンス」
彼女が誰で どこの人だか
神様だけが知っている
わが魂は魅了された
あの美しき見知らぬ人に
風は誰だか知っているだろう
雲もあの人に会ってるだろう
彼女の上を雲は追い続け
光は翳ってしまうのだ
ナイチンゲールは彼女のことを歌うだろう
星はきらめいているだろう
あの人の瞳のきらめきのように
だが星たちは彼女と呼ばれることはない
私は信じる、私は知ってる、その日がくることを
我が心が喜びで高鳴る日が
あの神秘の女性を見つけられる日が
きっと夢は実現するのだ
恋は実るけれど。苦しい想いへと変わってゆくようです。
そして、「ひばり」のあと。
第11曲 「モリーに」
歌を求めてはならない 詩人から
もし世の中の騒々しさが
詩人の予言をする口を閉ざさせた時には
喜びや霊感の湧き出すその口を
もし彼の感性が死んだように眠るのを
力ずくで邪魔しようとしても
歌は生まれはしない、決して!
代わりにうめき声や 女のような泣き声、
あるいは粗野な笑いが生み出されるだけだ
だが もしも高飛車な態度でなく
生き生きと共感を持って詩人を受け入れ
ただそうするふりであれ たわむれであったとしても
彼の人生を希望で照らしてくれたならば
稲妻よりも激しく
炎よりも熱く
言葉は激しい急流のように湧き出すだろう
高らかな歌が
堂々たる歌が
雷鳴よりも強く この空に響くのだ
第12曲(最終曲)
「別れ」
さらば、良き友よ!
人生は我らを離れ離れにする
だが、たとえ私がどこにいようとも
私は君たちのことを忘れない
永遠に光り輝く日々などどこにもない
憂鬱や苦痛はどこにでもあるが
人生は 私の記憶の中では
ちぎれたアルバムのページでしかない
その通りだ、その通りだ、歌い手よ
だがそれだけではない、それだけではない
人生が友情によって暖められたとき
神はお前を、我々を、皆を祝福し続ける
幾年月も
馬鹿騒ぎ ― それは毒入りのワイン
愛−それは偽りの花
快楽 ― それは黄金色のくびき
そしてお世辞 ― 甘きささやき
さらば、愚かな夢よ
無意味な夢よ、さらばだ!
虚栄の次の生贄を
狡猾なケームで誘い出すがいい
その通りだ、その通りだ、歌い手よ
だがそれだけではない、それだけではない
人生が友情によって暖められたとき
神はお前を、我々を、皆を祝福し続ける
幾年月も
栄光、かつて私の楽園だったもの!
その月桂樹の冠を取り返すがいい!
受け取れ!この茨を!降ろしてくれ
お前の名誉を束縛するものを!
他の目の見えぬ者にそれをかぶせよ!
彼に命じよ 異邦人の祝宴で
客人たちを楽しませるために、その戸口で
灼熱のハープを弾くのだと!
その通りだ、その通りだ、歌い手よ
だがそれだけではない、それだけではない
人生が友情によって暖められたとき
神はお前を、我々を、皆を祝福し続ける
幾年月も
永遠に変わらぬ仲間たちがいて
最良の思考と感情がこの世にはある
君たちのサークルは、我が良き友よ
インスピレーションの空に覆われている
君たち仲間を愛するのを止めたりはすまい
子供のような眠りと引き換えにして
君たちに最後の歌を歌い
そしてハープの弦を断ち切ろう
万歳、万歳、君は正しい
けれどハープの弦は切るな、けれどハープの弦は切るな
われらの人生は友情で暖められるのだ
弦をかき鳴らして歌おう
幾年月も
こんな歌詞を、知った上で、「ひばり」を聴くのも
また楽しいと思うのですが、如何でしょうか?
どこか、「展覧会の絵」に通じるところがあるようにも思います。
あ、でももちろん、牛田さんがご自身で書かれている「曲への想い」を
是非、読んでくださいね〜。
牛田さんの演奏で聴く、「ひばり」がとても好きです。
きらめく音に、いつも胸がかきむしられるように
せつなさを覚え、ため息をつきます。
2曲めは、
「瞑想曲」
18の小品の中の一曲です。
とても美しい曲で、好きな曲です。
18の小品は、弾くの難しいんですよね。←それは、私の感想(笑)
チャイコ晩年の作品で、交響曲6番「悲愴」の頃に
書かれたものだそうです。
牛田さんはこの曲を
「交響曲第5番第2楽章の再現部の手法をイメージして」
とおっしゃっていますが
「運命のモチーフ?」
ちょっと「瞑想曲」の楽譜が見たくなってしまいました(*^-^*)
3曲め「夜想曲」
これは、はじめのほうの6つの小品(あとの方の6つの小品と区別して)
の中の曲です。
瞑想曲が「くるみ割り」や「悲愴」のチャイコ晩年の頃の作品であるのに
対して
夜想曲は、チャイコのピアノコンチェルト1番が書かれたころの作品です。
声部の弾き分けが綺麗で、牛田さんの表現力にうっとりする一曲です。
これ、自分でも弾いたことあるだけに(^_^;)
牛田さんのすごみを感じます。
ちなみに、OP.19の6つの小品
「夜想曲」以外は、あまり弾かれないみたいですが、すっごく素敵な曲たちなのですよ〜〜♡
是非ぜひ、たくさんの方にも弾いてもらえると嬉しいのですが。
一曲目とか、いいと思うのだけどな〜。
これらの曲たち、本当に牛田氏の言う通り
「オケでしょ〜〜」って思います。
ちなみに、他にも、ピアノ曲だけど、これイメージはオーケストラでしょ?と突っ込みたくなるのは「モーツァルト!!」
つか、モーツアルトのピアノ曲は時々オペラ(笑)
ピアノの師匠からも
「ここは弦、チェロくらいの音だして」
「ここは、フルート」
「ここは木管楽器ね」
などと指示されるのは、モーツアルトとチャイコが多い(笑)
ベトベンは今の師匠では習っていないけれど。
ピアノで、そんな音出せるか〜〜と思っていましたが
牛田さん、ばっちり出してきますね。すごいです。
すみません。すでにCDの感想じゃない(^_^;)
好き勝手書きすぎて、長くなりました。
とりあえず、ここまでを前半とします。