紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

安楽死

録画していた、安楽死についての特集番組を見た。

安楽死は、病院勤務の頃に、少なくとも百を超える方々の死を体験させていただき、また両親の看病や看取りを通して、ずいぶん考えてきた問題。

今は、難病である自分自身の問題としても、

考えずにはいられない問題。

 

「自分が死にたいからといって、家族を傷つけていけない」

なるほどと、思う。

 

スイスに於ける、安楽死の条件というのは、とても「生の尊敬や死とは何か」について、考えられていると思う。生きるとは何か、死とは何かについて、深く考えられていると思う。

 

簡単に導入すべきではないが、

キチンと議論すべき課題だと思う。

 

一番恐ろしいのは、

人の生死、生きる意味や死ぬ意味とキチンと向き合い、議論される事のないままに、生きる者だけの視点や、経済や効率、「コストダウン」の視点から安楽死が導入されること。

 

これを避けるためにも、

今から、議論されるべき課題だと思う。

 

その時に、コストダウンとか、お金とか、臓器移植とかの問題だけでなくて、

倫理とか、哲学とか

そのあたりの議論が

されるといいのだけれどなぁ。

 

私は「人の生きる尊厳」の視点から、安楽死に反対ではない。

しかし、生死や尊厳の問題に真正面から向き合うことなく、経済や、コストダウンの問題が重視されるのであれば、安楽死は導入すべきではないと、思われる。