紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

5月分読書メーター

5月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3035
ナイス数:91

 

「失われた時をもとめて」

こちらを少しずつ読み進めております。

 

人の心の描写の細やかさに息を呑みます。

 

とてもとても正直に言いますが。女性として生きてきて「わからないなあ」と思うことのひとつに、男性がどのように女性を愛するのかという「気持ち」があります。

この本を読んでいると、人を恋うる心は同じであると思えます。ただし、やはり欲という点に於いては「そうなんだなあ?」と思うところもあったりしています。

個人差なのかとも思います。

 

この作品の好きな点は、

例えば、「失われた時を求めて」で、主人公の家で雇っている女性が、とても料理を作るのが上手なのだけれど、職場でいじめだろ?と思われることもしています。それでも主人は、彼女の料理の腕の良さから、彼女の行為を知りながら見過ごし、彼女を解雇することはありません。

そんな人間の「ある意味人間らしさ」を、織り込んで書いてあるところです。

一人の人間の中にある、おぞましさも美しさも

恋をすることの美しさも哀しさも醜さも絶望も、実った恋の苦しさも

けして単純に「これ」とべったりと色分けしたり境界をひいたりすることのない

複雑な味わいが描き出されているのが、魅力です。

 

別の作品の話になりますが

「この主人公は心が美しくて、誰にでも優しいのですよ」とキャラクターで決められていれば、その主人公は本当に誰にでも優しく、誰からも好かれる、という話は、非常に受け入れやすいと思います。

「実は敵だと思っていたこの人には、こんな優しい面もあるのですよ」とキャラクターが決められていると、そのとおりであったりもします。

これは、嫌味です。

 

この「レッテルをべったりと貼り付ける」行為が、実はあまり好きではありません。

日本の作品も、もちろん、エンターテイメントとして優れていると思うので、

こんなにもたくさん、楽しんでいますけれど。

 

キャラクター設定で「決められている」「わかりやすい」単純さよりも、

一人の人間の中にある感情の複雑怪奇

ひとつの行為の意味が、受け取る人によって千差万別の意味を持つこと

その、気持ち悪いまでの人間性を描き出す作品に、最近は惹かれがちです。

 

現代社会においての「気持ち悪さ」を日々感じる中で

己の中にある「気持ち悪い反吐が出る感情」と日々向き合う必要があるからかもしれません。

 

だからこそ、一輪の野に咲く花が風にただゆれている姿に

透き通るようにどこまでも続く青空に

とても貴重なものを見るのかもしれません。

 

 



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