紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

コンクールのこと

娘さんがピアノのコンクールに参加するようになり、私も親として付き添うことが出てきました。
かつては、コンクールにどうして参加するか理解できませんでした。音楽は楽しめば良くて、競う必要はないのでは?と思っていたからです。だからコンクールよりも演奏会の方が良いと思っていました。

実際、コンクールという場を親という立場ではありますが経験してみると、演奏会とは明らかに違う場であることに気付かされます。

最大の違いは「緊張度」かもしれません。
演奏会とコンクールでは、まず客席の雰囲気が全然違います(>_<)
演奏会では客席から小さな物音も聞こえたりしますが、コンクールではもちろんご法度。そして聴いている人はほとんどがコンクール参加者とその家族…(つまり今競っている相手)そして、中央にど〜んと審査員。

うん。これは緊張します。

そして、コンクールに出てくる人達って、やっぱり皆さん上手なんですよね〜。「うわー、皆うまい。この中で優劣を決めるのか」「でも、今まで頑張ったし、何としてでも成功したい」なんて思ったら…、うん、やっぱり緊張しますよね。


発表会ではそれなりにしか緊張しない我が家の娘ですが、ここぞ、というコンクールでは凄まじい緊張状態に陥ります。前回駄目だったけれど、今回はいけるかもしれない、なんて時は特に危ないです。
足も手もがくがく震えているし、顔面は蒼白になっているし。「舞台に出た瞬間、ドレス踏んで転ぶんじゃないか?」と心配するほど。

実際に緊張のあまり自爆して、練習では有り得ないミスを連発することもあります。(同じ個所を何度も繰り返してしまう、突然一瞬だけど止まってしまう、違う音、違うメロディーをいきなり弾きはじめる、などなど)

話を聞いていると、周りのお子さんたちもやっぱりかなり緊張するみたいです。「舞台の前に吐いた」「何も食べられなくなる」「熱が出る」など、いろいろ聞きます。

こう書くと、緊張は悪いもののように思われますが、これが上手く転がると、練習の時とはくらべものにならないような素敵な音楽が生まれることもあります。気合いが入るというか、心が入るというか、何かが取りついたというか…。コンクールで上手くいった時の演奏は、発表会の時よりも胸に響くように思います。親のほうもコンクールは過度の緊張状態にあるので、気のせいかもしれませんが(^_^;)

娘さんは、ピアノを専攻するつもりはないらしいですし、そのうちレッスンにも行かなくなるかもしれませんが、あの緊張状態の中で舞台を踏んできた経験は無駄にはならないんじゃないかな?ならないでほしいなと思います。

あと、「優劣がつく」というのも、コンクールと演奏会の大きな違いですよね。
これは良し悪しかな〜とは思います。

良いのは、やっぱり本人の真剣度が増すこと。
悪いのは、ダメだった時に、そうとうネガティブになること。ダメが続くとネガティブスパイラル(駄目だった経験→悪い緊張→舞台で失敗→さらに駄目だった経験の上乗せ→自己評価下がる→悪い緊張→またまた駄目だった経験の上乗せ)にも陥りますし(-_-;)

駄目だった悔しい思いをばねにできたら、たぶん一番いいのでしょうね。そのためには、結局どれだけ「好き」であるのかにかかっているのかもしれません。