紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

世界巡り ラテンアメリカそのⅠ


百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))感想

世界を本で巡ろう企画、第二弾は、ずいぶん時間が経ってしまいましたが、ラテンアメリカ文学より、「百年の孤独」です。

ラテンアメリカ文学ははじめて読みましたが、まず世界観の違いにびっくりしました。冒頭良い村長のたとえが、「町をつくる時に、みんなの家に平等に陽があたるようにする」というようなことが書いてあります。そうなんだ。それが良い村長のたとえになるのかと。
そんなこんなで、細部の表現そのものが異国でおもしろいのです。

草花の描写もすさまじい。すこしほっておくと雑草がはびこって家を破壊しかねないし、蟻はどんどん入ってくるから退治しなければならない。お風呂にもサソリが入って来るから、サソリをつぶしながらお風呂に入ったりする。とにかく自然が爆発的生命力を持って描かれており、人間は自分が生きるために自然と闘い続けなければいけないくらいの雰囲気。
むせかえるような空気感にも異国を感じます。

物語の本筋は、家族をめぐる孤独の物語でした。愛するがゆえに孤独だったり、能力があるために孤独だったり、人とわかりあいたいのにわかりあえなかったり。淋しくて、せつなくて、愛しい。

異国であっても、人の心の動きの根本は同じで、まばゆいばかりの太陽と強烈な雨の下、繰り広げられる人間模様にたっぷりとひたれた本でした。

ラテンアメリカ、とても面白いので、もう少し他の本も読んでから次の国にうつろうかと思っています。

幸い日本への翻訳本も多いようですし(*^_^*)それだけ、人気があるんですね。