紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

読書メーター 2月ぶんまとめ

2月は読書量が少なかったですが、その代わり、「百年の孤独」「深紅の碑文」はじっくり味わえる名作でした。ひとつひとつの言葉をめぐり何度も思考をめぐらすような、重厚な作品と向き合えたことに感謝。


2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2710ページ
ナイス数:1647ナイス

ジヴェルニーの食卓ジヴェルニーの食卓感想
芸術の熱気と愛を感じる物語でした。絵画は瞬間を切り取って永遠に焼き付ける芸術なのだと、静かな感動を覚える作品です。☆☆☆
読了日:2月28日 著者:原田マハ

遠まわりする雛 (角川文庫)遠まわりする雛 (角川文庫)感想
題名から「雛人形が移動する、ホラーテイストかしら?」って思っていました。全然違いました!このシリーズ、だんだん面白くなります。特にホータローが、ずいぶん変わってきたように思います。高校という、人が自分を確立してゆく時の「確実に変化するけれども、まだまだ不確かなあやうい感覚」を見事にとらえていて、読んでいて懐かしくも淋しい不思議な気分に襲われました。☆☆☆
読了日:2月27日 著者:米澤穂信

和食屋の和弁当―毎日食べたい、しみじみうまい。和食屋の和弁当―毎日食べたい、しみじみうまい。感想
手早く作れそうで美味しそうなメニューがいっぱいでした。お弁当、気づくとすっかりマンネリになっていて、新しい味を捜していたところだったのです。さっそく参考にしてみたいものがたくさんです=^_^=キンドルで購入したのですが、やっぱりこうゆうレシピ本は、すぐに開ける本のほうがよかったかなあ(-_-;☆☆☆
読了日:2月25日 著者:笠原将弘

卵の緒 (新潮文庫)卵の緒 (新潮文庫)感想
厳しい状況なのに、とても心温まるお話。愛情があふれているからなのかな。人と人の繋がりって、幸せだなと思えるすてきな2編。家族の幸せってこうゆうことなのかなって思えました。☆☆☆
読了日:2月25日 著者:瀬尾まいこ

深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)感想
ついに読み終わってしまった。人の飽くなき戦いを描き、欲望を描き、身勝手さを描き、血にまみれた世界を描いているのに、どうしてだろう?生きることへの賛歌、希望が見えてくる気がします。好きな言葉、好きなシーンがありすぎて、感想を書こうとしても言葉を失います。この圧倒的なエネルギー問題、人と技術の問題、その他さまざまな問題にも触れながら、何よりも人が生きるとは何かを真摯に描き出した大作だと思います。☆☆☆☆
読了日:2月18日 著者:上田早夕里

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)感想
秋季限定「マロングラッセ」ではなく「栗きんとん」であった理由が明かされます…。元鞘といえばそうですが、二人の心境はもうまるで違う。偽りを脱ぎ捨て己であろうとした二人はもう「コーティング」ではなく「裏ごし」でいくしかなくなっている。それにしても、吉口さんといい、氷谷くんといい、果たして「小市民」とは何なんでしょうね?「いちごタルト」→「トロピカルパフェ」→「栗きんとん」ときたら冬は何でしょう?「アップルパイ」?自覚した二人の物語、読むのが怖いけれどやっぱり読みたいので、続編が出るのを期待します。☆☆☆
読了日:2月16日 著者:米澤穂信

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)感想
小佐内さんがいったい何をしているのか、大変気になるところです。「そう。わたしは小市民。そしてね、小市民が、好きなのよ」。小佐内さんのこの言葉に心を貫かれました。下巻にすすみます。☆☆
読了日:2月14日 著者:米澤穂信

百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))感想
はびこる草、恐るべき蟻、狂ったような熱と光。豊穣の世界で、孤独と愛に苛まれる一族の、はじまりから終焉までの100年の物語。重厚です。約2週間、ずっと読んでいました。「それはないだろう?」という荒唐無稽なエピソードの中にも、愛するがゆえの孤独、嫉妬、喜び、人と分かち合えない淋しさ、虚しさ、貪欲なまでの生命力などなど、およそありとあらゆる感情がごった煮となり煮えたぎっていました。何度も思考が煮えたぎり中断を余儀なくされながらも読了。余談ですが、ひきこもりって文明社会に限ったものではなかったのですね…。☆☆☆☆
読了日:2月12日 著者:ガブリエルガルシア=マルケス

深紅の碑文 (上) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)深紅の碑文 (上) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)感想
地球の全球凍結もあり得るという「大異変」を目前として、生き残りをかけて資源を奪い合い、殺しあう人類。その渦中で「相手を信じる」「紛争のない地域をほんの少しでも作れないか」と思い続け、行動し続ける青澄の強さ憧れる。滅亡を前提とした社会に生まれながら、まっすぐに宇宙をめざし夢を持ち続ける少女のきらめきも、眩しい。医療に携わっていると、「300〜500人連続で死を看取ると、辞めたくなる」「ターミナルケア3年で心が折れる」などと言われる。それ以上の圧倒的な死の中で、なお見られる希望とは何か。下巻にすすみます。☆☆☆☆
読了日:2月5日 著者:上田早夕里

ジゼル・アラン コミック 1-4巻セット (ビームコミックス)ジゼル・アラン コミック 1-4巻セット (ビームコミックス)感想
借り物。お嬢様がお屋敷を抜け出して、大家さんになり、「何でも屋」をはじめます。ジゼル・アランのまっすぐで飾らない、そしてお人よしな性格に、ぐいぐいと引き込まれました。出会う人々も素敵。ジゼルとエリックの、ジゼルの幼さと、お嬢様度による気持ちの微妙なずれもせつないです。心のゆらぎをとても丁寧にえがいている作品だと思いました。続きも楽しみ(*^_^*)☆☆☆☆
読了日:2月4日 著者:笠井スイ

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