紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

読書メーター 5月分まとめ

2014年5月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:4810ページ
ナイス数:2154ナイス

ターミナルタウンターミナルタウン感想
いままで三崎作品に出てきたさまざまな要素も詰め込まれていて、ふむふむ〜といった感じ。鉄道に見捨てられた街に影にと、おなじみの三崎不思議ワールドの淋しさとも哀愁とも諦めともいえない感覚の中に、前にすすもうという力も感じる。そして、そこここに、現代社会への皮肉とも批判とも感じられる要素が織り込まれている。三崎作品は、3.11以降、明らかに変わったと確信した一冊でした。
読了日:5月31日 著者:三崎亜記
王子の優雅な生活(仮) コミック 1-3巻セット (ASAHIコミックス)王子の優雅な生活(仮) コミック 1-3巻セット (ASAHIコミックス)
読了日:5月30日 著者:紫堂恭子
僕らのご飯は明日で待ってる僕らのご飯は明日で待ってる感想
完璧な幸せはないのかもしれないけれど、それは、完璧な不幸もないってことなんだ。きっと。
読了日:5月28日 著者:瀬尾まいこ
ありがとう、さようなら (ダ・ヴィンチ ブックス)ありがとう、さようなら (ダ・ヴィンチ ブックス)感想
ダヴィンチに連載された瀬尾さんのエッセイです。こんなにも愛情いっぱいの先生に担任をしていただけたら、子供たちも嬉しいだろうな。中学生って難しいし、集団でいるとちょっと怖いイメージがあったりするのですが(昔荒れまくった中学に通っていたせいかどうしても(^_^;))瀬尾さんの書かれる中学生は、優しくてほんわかしていてとってもあったかでした。
読了日:5月24日 著者:瀬尾まいこ
アオハライド 10 (マーガレットコミックス)アオハライド 10 (マーガレットコミックス)感想
恋愛感情の細やかな表現が素晴らしい。心が立ち直ってゆく描写も美しい。少女漫画ってすごいなあと改めて思いました。おばさんでも胸がキュンキュンします(笑)
読了日:5月24日 著者:咲坂伊緒
継母礼讃 (中公文庫)継母礼讃 (中公文庫)感想
純粋な悪は美しいのかもしれない。それとも、純粋とは既に悪を含むのか?最初から最後までアルフォンソの毒にやられっぱなしでした。ところで、リゴべルトが愛したのは妻なのか、自分なのか?それとも、美しい妻を迎えた自分なのか??彼の己の肉体への愛着ともとれる儀式を読む間にわからなくなってきました。ずっと受け身で翻弄されるままだったルクレシアに対し、「継母礼賛」というタイトルが痛烈な皮肉。
読了日:5月21日 著者:マリオ・バルガス=リョサ
ミッドナイト・バスミッドナイト・バス感想
40を過ぎるといろいろなものを背負いながら生きなくてはいけない。過去も、今までのあやまちも。時にはどうにもならない暗闇に自分が突っ込んでいるのを感じることもある。そんな真夜中を夜明けに向かって走ってゆくバスの物語でした。とても良い話なのですが、主人公のリイチさんの言動に、とにかイラついてしまって(^_^;)私の怒りのポイントをことごとく突いてくるんですよ(苦笑)それ以外はとてもよかったです。
読了日:5月19日 著者:伊吹有喜
四月は君の嘘(9) (月刊マガジンコミックス)四月は君の嘘(9) (月刊マガジンコミックス)感想
この巻の前に「いちご同盟」を読んでおいて大正解。かおりんの、公生の、そして渡の台詞の背景まで理解できます。 『たくさんの人と音を共有できた時、たくさんの人に音が届いた時、心を重ねた時、音楽は言葉を超えるのかもしれない』 青春のひりひりするような、自己を見つめる激しさ、生まれ変わる時の心の強烈な葛藤、感動、人と触れ合うこと、傷つけあうこと、いたわりあうこと、それらが美しい音楽とともにあります。アニメ化もするそうですね。どちらかといえば、ドラマ化してほしかったかも(笑)
読了日:5月16日 著者:新川直司
いちご同盟 (集英社文庫)いちご同盟 (集英社文庫)感想
四月は君の嘘」の発売が明日なので、ちょっと急いで再読しました。懐かしい!初めて読んだのは、ちょうど中学3年生くらい。そんな頃の感情の起伏がとても丁寧に描かれていました。当時は胸に切実に響く言葉たちに、涙しながら読んだっけ。今は、やはり主人公の親世代に心を寄せて読んでしまいます。昔は疎ましいばかりだった主人公の母親の気持ちこそ理解できたり、自分の思春期を振り返って恥ずかしいような気持ちになったり。
読了日:5月15日 著者:三田誠広
失恋ショコラティエ 8 (フラワーコミックスアルファ)失恋ショコラティエ 8 (フラワーコミックスアルファ)感想
やっぱり、さえこさん好きです(*^_^*)オリビエも好きです。終盤のオリビエのいけずが、素晴らしい。本編も心動かされるものがありましたが、作者のあとがきに衝撃をうけました。その映画、是非見てみたいです。愛ではない、あくまでも恋の悲哀と残酷さと華麗さ、を描きつくしている漫画だと思います。
読了日:5月14日 著者:水城せとな
あと少し、もう少しあと少し、もう少し感想
中学生駅伝のお話。顧問である上原先生の、力が抜けきった感じの教師姿が印象的でした。すっと生徒の懐に入っていける技は、なかなかの力量では。ほんわかしてみえるのに、実は一番腹黒そうだし…。登場人物も皆、第一印象と違う、いろいろな面をみせてくれます。中学生の頃って、レッテル貼られたり貼ったりするけれど、よくよくつきあってみると、全然違う面が見えてくる。嫌味だと思っていたら世話好きだったり、世話好きだと思ったら以外と周りとの付き合いが下手だったり。人のさまざまな面と個性が綴られていて楽しく読めました。
読了日:5月13日 著者:瀬尾まいこ
「出会い」の不思議「出会い」の不思議感想
河合隼雄先生の柔らかい語り口で、言葉との出会い、本との出会い、家族との出会い、子育てとの出会い、が綴られます。何に出会っても、深く思考し、出会いを深めてゆく文章に、何度も圧倒されました。そしてまた、読みたい本が増えました(^_^;)。
読了日:5月12日 著者:河合隼雄
アルスラーン戦記(2) (少年マガジンコミックス)アルスラーン戦記(2) (少年マガジンコミックス)感想
ナルサスの絵が見えないのがまた良いです。(想像が膨らみますね〜〜)ギーヴはこれですか!久しぶりに原作本を読みたくなって、古本屋さんで旧角川版を購入してしまいました。どうしてこれ、手放してしまったのかなあ。大学生の自分に文句を言いたくなりました。アルスラーンといえば、どうしても角川版が思い浮かぶ古い世代です…。
読了日:5月11日 著者:荒川弘
図書館の神様図書館の神様感想
垣内君が魅力的でした。正しいだけじゃない、清いだけじゃない、「あいまいを誠実にする」ような物語でした。瀬尾さんの文章はいつも暖かくて優しくてほろ苦くて、読むほどに好きになります。
読了日:5月11日 著者:瀬尾まいこ
カシオペアの丘で 下 (講談社文庫)カシオペアの丘で 下 (講談社文庫)感想
40歳という年齢が自分と近いせいなのか、主人公たちをとても身近に感じながら読了。許すこと、許されること、そして自分を許すこと。これらが命の重さを伴いながら語られる。40歳はもう若くない、でもまだ老人というほどでもない。過去と未来の狭間で、過去の自分と対峙しながら今を選び、未来を変えてゆくのにちょうど良いチャンスなのかもしれない。未解決にしてしまっている過去に向き合い、未来を拓く勇気をくれる一冊。
読了日:5月10日 著者:重松清
カシオペアの丘で(上)カシオペアの丘で(上)感想
冒頭の子供たち4人で家を抜け出して星を眺めるシーンが胸をうちます。彼らが登ったカシオペアの丘。大人になり、生きること死ぬことを見つめながら再会をしたのもやっぱりカシオペアの丘ででした。重い空気を孕みながら、下巻にすすみます。
読了日:5月9日 著者:重松清
RDG レッドデータガール (4) (カドカワコミックス・エース)RDG レッドデータガール (4) (カドカワコミックス・エース)
読了日:5月8日 著者:琴音らんまる
君のために弾くショパン コミック 1-4巻セット君のために弾くショパン コミック 1-4巻セット
読了日:5月8日 著者:長江朋美
天国はまだ遠く天国はまだ遠く感想
瀬尾さん、すっかり気に入り、また読みました(*^_^*)これはまるで、生まれ変わりの物語。自分の哀しみしか見えなくなり、逃げ出した先で何か大切なものをつかむ主人公。生きる根っこをみつけられたのかもしれないです。若くて悩んでいる人におすすめしたい本です。
読了日:5月5日 著者:瀬尾まいこ
白い城白い城感想
「なぜ、わたしはわたしなのだろうか」この問いが全編を貫いている。外見がそっくりな師と「私」のお互いがお互いのすべてをさらけ出して語る部分は、まるでカウンセリングを見ているよう。己をどこまでもつきつめてゆく、ある意味での恐怖にぞっとする。そして白い城を境にして己さえもが混沌としてゆく。 娯楽小説というよりは、自己をとことんまで見つめる哲学のよう。 正直「どうしてそういう発想になるのか?」と理解しにくい部分も多くありましたが、背筋をぞわりと何かがはいずるような、奇妙な一冊でした。
読了日:5月4日 著者:オルハンパムク
雪のひとひら (新潮文庫)雪のひとひら (新潮文庫)感想
美しい文章。雪のひとひらの誕生の場面、地上への降りしきる場面、初めての日の出。鮮やかで私的な文章に圧倒されます。そして生の美しさ、厳しさ、暖かさ、信頼、そんなすべてが美しく優しい言葉でつづられます。イラストもとても素敵。原文は英語でしょうか?原語でも味わってみたい一冊でした。
読了日:5月4日 著者:ポールギャリコ

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