紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

5月分 読書メーターまとめ

先月は、やはり本をなかなか読めませんでした。
入院中にいくらか読みましたが、感想アップができず(苦笑)
ヘッセ、やっぱり面白いですね。
「ゲルトルート(春の嵐)」では、主人公が父と話をする場面が一番好きでした。「人の一生には青春と老年とのあいだに、はっきりした境が設けられていると思う。青春は利己主義をもって終わり、老年は他人のための生活をもって始まる。つまり、若い人たちは自分のためだけに生きるので、生活から多くの享楽と苦悩とを受ける。したがって、すべての願望や思いつきがたいせつで、あらゆる喜びが味わいつくされる。だが、同時にあらゆる苦悩も味わいつくされる。(中略)青年は好んで死について話をするが、けっして死について 考えることはないということと関連している。老人の場合は逆だ。若いものたちは永遠に生きるものと思っている(略)老人になると、どこかに終わりがあり、自分自身のためだけに持ったり、なしたりすることは、結局すべて空に帰し、むだだということを気づいている。(略)もっとも熱のある青年がもっともよい老人になるのであって、学校時代にもうおじいさんのようにふるまう人間がもっともよい老人になるのではない」

十二歳も印象的な作品でした。
小学六年の、心が揺れ動く様がとても美しく描かれています。
自分の心が自分の思い通りにいかない、好きという気持ちのコントロールがきかない。
そんな中で「運命は決まっているけど、自分の気持ち次第でどうにでも変えられる」と答える様が、妙に清々しく感じました。

読めた本は少ないけれど、
良い本に出会えているな〜と思えた一月でした。

2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:869ページ
ナイス数:236ナイス

四月は君の嘘(11)<完> (講談社コミックス月刊マガジン)四月は君の嘘(11)<完> (講談社コミックス月刊マガジン)
読了日:5月19日 著者:新川直司
十二歳 (講談社文庫)十二歳 (講談社文庫)
読了日:5月14日 著者:椰月美智子
春の嵐―ゲルトルート (新潮文庫)春の嵐―ゲルトルート (新潮文庫)
読了日:5月13日 著者:ヘッセ
orange(1) (アクションコミックス)orange(1) (アクションコミックス)感想
SF好きなので、ちょっとひっかかる部分もあるのですが…。(手紙がどうやって届いたのかとか、過去を変えてしまったら、当然未来も変わってしまうのだけれど、そのあたり、どんなお約束の世界観なのかとか…) 後悔のない人生はないし、「もし、やり直すことができたのならば」と思う気持ちは誰にでもある。その気持ちを掬い取ろうとする作品なのかな?今後に期待。
読了日:5月8日 著者:高野苺

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