紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

肝試しをしてみたりした。

肝試し、といえば夏のレジャーの定番ですね?
今は定番じゃないのかしら?

高校生の時。夏休みの夜のことでした。
肝試しを皆ですることになりました。
男女合わせて数人が集まりました。
はじめに、人数の確認です。
順番に並んで、左から数を言ってゆきます。
「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう」
丁度十人おりました。

「二人ペアで、道順はこうね。おばけ役は、この二人がやるからね」
などと指示を受けまして
たいへん暗い森の中の道を歩くのです。

実は、ちょっとうきうきでした。
男女のペア。しかも、ちょっとかっこいい先輩とペアに
なれましたの(*^_^*)
普段あまりお話もできないけれど
「ちょっとドキドキしますね〜」なんて言いながら
顔赤くなってないよね??なんて思いながら
真っ暗な道を歩いておりました。

そしたら、木の根につまずいて、転びそうになり
「大丈夫?」と先輩から手を差し出されてしまったりして…。
おもわず握った手が暖かくて
お互いすぐに、気まずくなって、手を離してしまって。
それでも、心臓バクバクで(笑)

いやあ。こんなおばさんにも青春ってあったんですねえ(笑)

そんなこんなで、ゴールしました。

「全然怖くなかったよ〜」とか
「お化け役も帰ってきた?」とか
わいわい言いながら
「最後に点呼〜。全員いる?皆、数言ってね」
と言われて、またはじめのように、並んで順に数を言ってゆきました。

「いち、にい、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう
じゅういち」

「!!!!」

「ちょっと、誰よ今、じゅういち、なんてふざけて言ったのは!」

暗くて、人の顔がよくは見えないくらいでした。
それで、人影を皆で数えたのです。

「いち、にい、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう………」
「じゅういち……」

皆で数えても、何故か十一人いるんです。
十人だったはずなのに。

「増えてる…」

びっくりしました。




「とにかく、ここだと顔も見えないから、明るいところに移動しようよ。
 いいよ。増えてるんなら。減ってなければ!」
今にして思うと、なんという発言だったのでしょう(笑)
リーダーの彼女がそう言うので
そっか、減ってなければ、とにかく大丈夫かと思いながら
明るい場所まで、今度は別のドキドキを感じながら
戻ってきました。

「はい。最後にもう一度だけ、点呼」
そして、今度は皆で数えるのをやめて、
リーダーが人数を数えます。

「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう」
「うん。やっぱり、十人だね………」

明るい場所で、皆で顔を見合わせて。
あの、増えた一人は誰だったんだろうと
あらためて、ぞ〜〜〜っとしたのでした。

本当にあった、夏の日のゾッとした想い出です。

本の紹介はどうしましょう(^_^;)
先週「ゾクッとする話」を紹介してしまったばかりです…。
実は怪談系苦手で、あまり読まないのですよね。

神様のボート (新潮文庫)

神様のボート (新潮文庫)

恋の深淵を覗きこんだような作品です。
幸福と痛みと
喜びと悲しみと
人を愛する
異性を愛する
娘を愛する
その胸のひきさかれるような、
生きる悲鳴を、成長の光を、別れの意味を
出会いの奇跡を
光と闇を
きらめくような文体で描き出した
傑作です。

この夏、私も再読してみようかしら。
あるひとつの真実に触れた「ゾクッ」とする感触がそこにはあります。