紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

牛田さん、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番 大阪

牛田さんのラフマニノフピアノ協奏曲第2番を聴くのは
これで2度目となります。

ラフマニノフピアノ協奏曲第2番といえば大変有名で
かつ大人気のピアノコンチェルトだと思います。

私は以前「メラノーマ」の疑いを持たれたことがあります。
皮膚の癌で、進行も早いということで、
精密検査を待つ数日の間、夜は不安のあまり眠ることができず、
まだ2,3歳の幼いわが子の寝顔を見つめながら、
涙をこぼすばかりでした。

そんな夜に、聴いていたのが、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番でした。
不安な心に寄り添い、やがて、落ち着かせてくれる曲でした。

幸い、メラノーマではなく、何やら変わった名前の出来物だったそうで
大事にならずに、今にいたります。

そんなこともあり、自分にとっては特別な曲であるこの
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。
長いので、ちょっと略して以下、ラフマP協2番。
それを、牛田さんがまた弾いてくださるというのです。
私、牛田さの弾かれるラフマニノフって、好きなのです。

そんな訳で、平日夜開催にもかかわらず、
行ってきました。大阪。

今回は、体調不良になることもなく、無事に行って帰ってくることができました。


指揮は大友直人先生。
管弦楽大阪フィルハーモニー交響楽団

大阪フィルと牛田さんの共演を聴かせていただくのは、
岐阜のサラマンカホールでの
チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番、
豊橋でのベートーヴェンピアノ協奏曲第5番、
に引き続き3度目。

指揮の大友先生との共演は、同じく豊橋以来2度目です。

とても、わくわくしながら、開演を待ちました。

はじめにコンサートマスターが音を出した時、
会場の座っている位置の具合なのかな?
ほんのわずかに、ピッチが高いような気がしました。
(素人なので、気のせいですね(笑))

出だしの音色は、灰色のような、寂しさを纏ったような和音に聴こえました。
そこからはじまる、音楽。

それは、知っているはずなのに、今初めて聴くかのような音楽に
思えました。
私が知っている、ラフマP協2番とは、何かが違う。

前回の埼玉で聴いた時よりも、テンポは緩やかに。
低音は、ズンと地の底を這うような音色に。

だんだん熱を帯びてくる音楽からは、祝祭のような気配を感じ
会場全体が、熱を帯びてくるように感じました。

荒々しさと情熱とが混然となったような気配を感じました。

とても、面白い、と思いました。
そして何故か、昨年秋に聴いた
プレトニョフ氏のラフマP協2番を思い出していました。

あの演奏は、まるでロマン派の音楽のような、優雅でさえある
プレトニョフ氏の冴えわたるピアノと
土の匂いのする、ずっしりとしたオーケストラの音色が
なんとも言えないブレンドとなって
「どうしてこうなったんだろう?」という
摩訶不思議な時間を繰り広げているように感じました。

私は、名古屋フィルがとても好きで
名古屋フィルが奏でるショスタコーヴィッチなど本当に好きなのですが。
それでも。
とても正直なことを言えば、
プレトニョフ氏の作りたい、
プレトニョフ氏の、ラフマニノフピアノ協奏曲第2番が
聴いてみたくなりました。
それはいったい、どんな世界なんだろうかと。
それは、ラフマニノフでありながら、何か新しい
ものすごく面白い音楽なんじゃないかと思ったのです。

今回の大阪での牛田さんと大阪フィルは
同じ方向を向き、
ピタリとよくあった演奏で
迫力もあり、
いかにもラフマニノフらしいラフマニノフと感じました。

なのに、どうして、あのプレトニョフ氏のピアノを
こうも思い出すのか?????

ピアノの旋律の出し方なのか?
オーケストラとの合わせ方なのか???

この音楽から、今自分が感じ取っている
何か新しいものを見たかのような、
でも、その形が明確には見極められないような
もしかしたら、全部気のせいなのかなあというか
なんとも言えない
このむずむずとした感触。


この曲の、スコアが見たくなりました。

祝祭のような、熱気を帯びて盛り上がりを見せる
大阪シンフォニーホールの片隅で、

牛田さんのラフマニノフピアノ協奏曲第2番が
今後、なんだかおもしろくなりそうな予感を
ひそかに感じておりました。



素人が、変な感想を書いてごめんなさい。
全然検討違いなこと書いているのかもしれません。

おかしなことを書いていたら、ご指摘ください。
記事を訂正、削除いたします。