紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

ショパン 24の前奏曲

ホアキン・アチュカロのリサイタルに行ってきました。

素晴らしかったです!

アチュカロ、数年前に一度聴かせていただいて、ものすごく感動して

またいつか来日してくださらないかなあと首をなが~くして待っていたのです。

今回の来日で、こちらにも来ていただけると聞いて嬉しくて、チケットを取って待っておりました。

アチュカロさん、スペインのピアニストで、現在86歳。

今回はモンポウショパンのプログラムでした。

 

 

モンポウがそれはそれは、素敵だったんです!

ピアノを聴いているはずなのに、月や星、風や樹々のざわめき

世界の神羅万象が見え、異界にいざなわれるかのような音楽。

ひとつの音そのものが持つ詩情が、胸を打つのです!それが、木陰で陽の光がきらめくように変化するのです。

 

音楽を聴いているのか、天国にいるのか(笑)

それくらい幸せでした。

 

 

 

また、アチュカロの弾くショパン前奏曲はちょっと独特な世界でした。

 

プログラムに、ピアニスト、コルトーショパン前奏曲のそれぞれの小品に

詩的な副題をつけている、というので題名が載っていたのですが

これまた、ぐっときました。

この副題をちらちら見ながらアチュカロのピアノを聴いていたら

今まで見たこともない風景が

ショパン前奏曲から広がってくるようで、驚きでした。

 

ちなみに、コルトーの副題を以下に書きますが

言葉というのは、呪縛性があると思うので、見たくない方は見ないでくださいね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1番「愛人への熱い恋慕」

第2番「悲しい瞑想、彼方に寂しい海が…」

第3番「小川のうた」

第4番「墓の傍で」

第5番「心いっぱいのうた」

第6番「郷愁」

第7番「楽しい思い出は香水のように漂う」

第8番「降りしきる雪、吹きすさぶ風、荒れ狂う嵐、

    しかしわが重い心はそれを凌ぐ風」

第9番「予言の声」

第10番「降る花火」

第11番「乙女の願い」

第12番「夜の騎行」

第13番「星空の異郷で遠い愛人を思う」

第14番「嵐の海」

第15番「死はすぐそこの影の中」

第16番「混沌の奔流」

第17番「あなたを愛します、と彼女がいう」

第18番「呪い」

第19番「翼があったら君の許へとびたい」

第20番「葬送」

第21番「愛を契った場所に寂しく戻る」

第22番「反乱」

第23番「戯れる水の精」

第24番「血、熱情そして死」

 

ひとつの物語を読んでいるようでした。

 

 

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アチュカロのショパンのCD、現在発売中です。

こちら、中のインタビューが、物凄く素敵なのです!

 

一部抜粋なのですが。

 

「(前略)詩情や多彩な音色を表現し、さまざまに旋律を歌い、理にかなったルバートを構築することは、容易であると信じられています。しかしそれらは全く易しくありません!

(中略)

‘響を満たさなければ’ならないのです。そして私たち奏者は、作曲家の息遣いを会得するよう努めなければなりません。なぜなら音楽は‘呼吸する’生身の人間が書いたものだからです。(後略)」

 

興味を持たれた方、是非ともCDを買って全文読んでみてくださいね!