2022年 3月読書メーター
読書メーターに登録を始めてから1000冊めの本が
「蒼ざめた馬」であったようです。
ロシアの本(これは正確にはソビエトの本かもしれません)を読んでいると
感性の違いなのか、少しの違和感を感じることがありますが
同時に、やはり同じ人であるとの感覚を抱きます。
ロシアとウクライナとの戦争の中で読んだ3冊の本(戦争は女の顔をしていない、赤い十字、蒼ざめた馬)は、すべて見ている点は違うものの、どれもが、
人の命を踏みにじる痛みと悲しみに溢れていました。
それでもなお、戦争が行われる痛みに、心が焼かれる日々です。
3月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:1143
ナイス数:95
【コミック】荒ぶる季節の乙女どもよ。(全8巻)の感想
青春の悩みを真正面から描いていて好感が持てました。夜の校舎っていいですよね。大好きです。色を失っていつもと違う顔を見せている校舎の青と青春の青を鮮烈に描いていて、またとても美しい表現をされていて、清々しく素敵なコミックでした。
読了日:03月31日 著者:岡田麿里,絵本奈央
戦争は女の顔をしていない 3 (単行本コミックス)の感想
今この本が日本でちゃんと出版されることのありがたさを感じます。これらの本が出版されなくなる日が来ないようにしなければならないと思っています。「戦争の辛さを知った人達はお互いをいたわりあうようになる」そう信じて戦った人達が今また戦争が起こっていることに憤っている。 そう憤っている。今もまた戦争は起こっている。
読了日:03月31日 著者:小梅 けいと
源氏物語 03 空蝉の感想
空蝉が源氏に魅かれつつも受け入れないのは、妻である立場だけではないと思う。この後に、源氏の恋人となった人達が陥る無限の闇を感じ取ったのではないだろうか。空蝉が源氏を受け入れていれば、源氏にとって空蝉は、簡単に忘れることのできる女となっていたのだろうか。 それにしてもこの物語、冒頭から失うことの言い知れぬ悲しみが続く。 帚木の次は空の蝉。手に入れようとすれば儚く消えてしまうことの繰り返しだ。そして次は夕顔。
読了日:03月27日 著者:紫式部
源氏物語 02 帚木の感想
続いて帚木。以前読んだときは、女性をあれこれ批評するのに気分が悪くなり、気軽に人妻に言い寄る源氏に呆れかえったのですが、今回は、この「帚木」の言葉にひっかかりながら読みました。帚木「遠くからはあるように見え、近づくと消えてしまうという、ほうきに似た伝説上の木。転じて、情があるように見えて実のないこと、また、姿は見えるのに会えないことなどのたとえ」。これは、身に覚えがある痛みです。帚木は、現在長野の園原にある月見堂の裏手にあると聞き、いつか尋ねてみたいと思っています。
読了日:03月23日 著者:紫式部
源氏物語 01 桐壺の感想
ネットで平家物語を探していたはずなのだけれど、気が付いたら青空文庫で源氏物語を読んでいました。あれ? 桐壺。以前は恋愛にばかり目がいったのですが、今は、桐壺を失った母の悲しみに、帝の嘆きに心打たれました。非常に面白いのですが、時々注釈が欲しくなります。そのあたりは青空文庫だからないのか、もともとないのか、どちらなのでしょうか。そしてこの訳は与謝野晶子の主張がどこまで入っているのか。ついつい原文と比較したくなります。原文を買うかどうか検討中(;^_^A
読了日:03月23日 著者:紫式部
赤い十字 (集英社文芸単行本)の感想
第二次大戦中のソビエトで、捕虜になると敵に寝返ったとされて、その家族も銃殺や強制収容所に送られていたことを初めて知った。赤十字が捕虜交換を求めて送ってくる捕虜の名簿がソビエトでは「裏切者」の名簿となっていたことも。ソ連外務省で働いていたタチアナは夫の名前を捕虜名簿の中で見つけ、ある罪を犯す。終戦後、タチアナは夫が捕虜になったことで強制収容所へ送られ、子どもは孤児院へと送られる。人のおぞましさ、命があまりにも軽く扱われる息苦しさを感じた。それでも、目を背けてはいけない。日本も捕虜になるなと手榴弾を渡した。
読了日:03月11日 著者:サーシャ・フィリペンコ
老子 (講談社学術文庫)の感想
ここ数年いつも手元において、繰り返し読んでいる本といえば、この「老子」。あまりにも自然に読んでいたから、登録していないことに気が付いていなかった。 悩むこと、落ち込むことがあると、よくこの本を開く。 座右の銘は「上善如水」これ多分、入社試験の面接で答えたら、不採用になるやつじゃないかと思う。(だから自営業なんだな、自分)
読了日:03月08日 著者:金谷 治
蒼ざめた馬 (1967年) (晶文選書)の感想
工藤正広訳のロープシン、蒼ざめた馬を読んだ。これ、訳者が大学の文学部在籍中に出版されたのですね。訳の言葉のリズム、言葉の選び方が美しかったです。 この本は、ロシアでテロリズムを行なっていたサヴァンコフ自身がロープシンの名前で書いたテロリストの本です。革命の為ならば人を殺しても良いのか、個人的理由で人を殺してはいけないのは何故なのか、人を殺すとは何なのか、愛していれば殺していいのか、法律とは何か。テロリズムによって殺した相手、処刑された仲間たち、テロリズムによって死ぬ仲間、そして失った後に何が残るのか。
読了日:03月06日 著者:ロープシン
伊藤くんA to E (幻冬舎文庫)の感想
推しが読んでいたとのことで、読んでみました。 お金持ちのボンボンでイケメンでダメ男の伊藤くんに振り回される女性たち。 伊藤くんが顔が良いだけでモテる「もの哀しさ」が、なかなかにキツかったです。 クズケンの優しさと、莉桜が、ぎりぎりで踏ん張る姿が好印象でした。のたうちまわり、足掻き続ける自分を安全な場所から笑う伊藤くんを、「彼がずっと見ていてくれる」と思える莉桜の姿に胸を打たれました。強いなあ。
読了日:03月01日 著者:柚木 麻子
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