紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

牛田智大くんのピアノリサイタルに行ってきました。(好き勝手書いてます)


行ってきました。牛田君。演奏を聴くのはじつは三度目です。はじめては、2012年7月のしらかわホール。二度目は名フィルとのショパンのピアノ協奏曲2番、そして今回が三度目です。二度目のピアノコンチェルトで鳥肌がたち、すっかりファンになりました(笑)

しらかわの時は、演奏前半にずいぶん緊張した面持ちで弾いていたのが印象的だったのですが、今回ははじめから、すっかり場馴れした雰囲気でした。プログラムは前半がショパン、後半がリストでした。

一曲目はノクターンの8番。やわらかい出だしが素晴らしかったです。実際に生で近くで(今回席がとても近かったのです)聴いてみて、演奏に雑音がきわめて少ないことに驚きました。指がピアノの鍵に触る音や、底にぶつかるような音がほとんど聞こえません。「凄い」と茫然としました。

二曲目はプログラムを少し前後して「雨だれ」。三曲目はバラード3番。
やわらかい音色が、素敵です。

四曲目はポロネーズの「幻想」牛田君、弾きながら客席をくるくると見るんですね。スケールが実に美しいです。

5曲目はポロネーズの「英雄」弾きはじめる前に、ちょっと考えたような顔をした後で、にっこりと笑ったのが印象的でした。この曲では、「中学生の男の子が弾いてるんだな〜〜」と急に実感。

休憩のあとはリスト祭りです。

6曲目はパガニーニ大練習曲より6番。牛田君が弾く、この曲大好き。CDも何度も聴きなおしてしまいました。

7曲目は「セレナーデ」相変わらず弱音が美しいですが、単に美しいだけじゃなくて音の多彩さがいいな〜と思いました。

8曲目は「献呈」牛田君のCDを自宅で聴いた時、実は泣きました。いろいろ、キツイことがあった頃で、心がささくれ立っていて。そんな時に、牛田くんの音のきれいさと、優しさと、透き通って伝わってくる何かに、ぼろぼろ泣きました。今回の音は、それとは、ちょっと違っていました。やっぱり、生演奏ですね。会場の雰囲気や、その時々で音が違ってくる。これが、演奏会の醍醐味なんだろうなと思います。

9曲目、「ダンテを読んでーソナタ風幻想曲」
感動しました。もうね、これ聴けただけで、今回来た価値があった。8曲目で一度退席して、戻ってきて、大きく息を吐き出して。一音目から、がつん、と心に響きました。本気がびしびし伝わってくるんです。年齢とか、アイドルみたいとか、全部ふっとばして、ピアノががんがん歌っている。直接心に響くんです。これだけの演奏は、なかなか聴けるものではない思いました。あああ、これ聴いちゃったから、また彼の演奏聴きたいと思ってしまうんだろうな…。

アンコールは2曲。

アヴェマリアと、「エディット・ピアフを讃えて」音がキラキラしていて、いろんな音が光になって風になって風景になって流れ出すみたいで、ラストが良すぎるって感じでした。

牛田君、まだまだ13歳。これからが楽しみです。いろいろなコンサート会場で、いろいろな雰囲気の中で演奏してゆくのでしょうね。演奏会などで、各方面から「名古屋は怖い」とよく言われますが(^_^;)どうぞ、嫌わずに、また名古屋でも演奏してくださいね。
リサイタルも、先週東京で、明後日はまた所沢。いったい学校の宿題はいつやっているのだ!と似たような年頃の子を持つ親としては、余計なことも考えてみたりして…。
演奏会の予定がびっしりで、おばちゃんはちょっと心配しております。どうぞお身体に気を付けてください。
昨夜勢いに任せて書いたものを一部朝書き換えております。やはり夜書いたラブレターは出すのをやめろというのは、こういうことですね(^_^;)