紅茶片手に読書している。そして音楽を聴きながら

本の感想、コンサート記録など書いています。

姉の「姉」になれるのか?

ふたつ年上の姉がいました。
幼稚園の頃の私は、いつかどうしても、姉の「姉」になりたいと思っていました。そうして、偉そう〜な態度で、姉に対して「妹よ」と言ってやるのだと思っていました。
そして真剣に考えました。
どうやったら、自分の姉の「姉」になることができるのだろう?

そんなわけで、いろいろやってみることにしました。
まずは、たくさん食べて大きくなろうとしました。
結果は太っただけでした。
次は、姉の読んでいる難しい本を読んだり、
小学校の教科書を勉強してみました。
知識がついただけで、姉にはなれませんでした。

どうしたら、「姉」になれるのか!!
幼児の頭で必死になって考えました。
そして思いつきました。
姉よりも「姉」になるためには
時間の流れが、姉よりも早くなればいいのだ!
姉が一日過ごす時間で、私が二日過ごせれば、いつか姉に追いつき
追い越せるのではないのか?
では、どうしたら一日で二日分過ごせるのか?
とりあえず、寝て起きたら次の日がくるので
お昼に一度眠って一日を終わらせて、もう一度夜を迎えたら
一日で二日分過ごせないだろうか??
実行してみました。
…お昼寝する習慣がついただけでした。

どうやっても、姉になれない!!!
でも、どこかに、何か方法があるのではないかしら?

良い方法が思い浮かばないまま、月日が経ってゆきました。

ところで。
隣の家に、ひとつ年下の、とてもかわいい女の子がいたのです。
よちよちと歩いてきては、「あちょぼ?(遊ぼう?)」
と言ってくれるのが嬉しくて
よく一緒に遊んでいました。

お庭でお花をつんで花冠をつくったり。土でおやまを作ったり。

そうしたら、ある日、彼女が、ちいさな手で私の腕をにぎって
言ったのです。
「おねえちゃん」

まだたどたどしい言葉で、「おねえちゃん」と!!

「お姉ちゃんだって!!!」

脳内がバラ色になりました。そうか、姉の姉にならなくても、
近所の小さな子の姉になることができるのか!!

そんなわけで、いつの間にか近所の小さな子供たちを集めて
遊ぶ子供になっておりました。

「おねえちゃん」その言葉の響きにつられて。

ねえさんといもうと (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

ねえさんといもうと (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

小さな子供の頃に、大好きで、何度も読み返した絵本です。
いもうと想いのおねえさん。でもいもうとは、お姉さんのことが
ちょっとうっとおしくなって、一人で家を出て行ってしまいます。
姉妹の優しさ、思いやりが胸に響きました。
絵も、優しくて、ほんわりする絵本です。